小田さんと東北大学建築学科で同級生だった藤森照信さんの対談「10年ぶり、小田和正氏が本音で語る藤森建築の特質」が掲載されていました。
 
 
今回はその中編をお届けします。
 
藤森さん「喜ばせようと思ってつくってるわけではないし。歌をつくるとき、そういうことは考えるの?」
 
小田さん「喜ばせようというより、自分が納得してそこをクリアしないと。結果的に喜んでもらえた、ってことかな。」
 
藤森さん「女性に好まれている、っていうのは最初から感じてたことなの?」
 
小田さん「いや、結果だよね。男の人はあまり名乗り出てこなかったから。最近になって、昔から聞いてましたとかさ。今頃言うなよお前、みたいな(笑)」
 
藤森さん「ハッハッハ。」
 
小田さん「もっと早く言ってくれれば、もうちょっと生きやすかったのに。“女々しい”とかさんざん言われて。」
 
藤森さん「あ、言われてたの?それは評論家みたいな人が言うの?」
 
小田さん「タモリがね、ラジオとか深夜番組とかで、オフコースは女々しいって。それが効いたんだよ。みんなよく知らなくても、女々しいと言っておけば当ってるだろうみたいな。」
 
藤森さん「コンサートに呼んでもらって行くとさ、いい歳して走り回ったり、客席の間に入ったりするじゃない。びっくりしたのは、“自分がファンの人の方に駆け寄っていくと喜ばれることに最近気付いた“って、小田がテレビで話していたことだよ。そんなこと、昔から分かってると思ってた。」
 
小田さん「いや、本当にびっくりするくらい喜んでくれるんだよ。若い頃はそれに気が付いても、受け止める器量がないから。手を振ったりするのも、恥ずかしかったし。今いろんなことが平気だからね。喜んでるんだし、いいかって。お前と一緒だよ(笑)。60歳ではまだ吹っ切れなくて、70歳になって見えてくるものがある。いくつになっても発見があるよ。」…
 
以下後篇へ続く。


 

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