「あ~、おなかすいた~」
夜行バスで、6月27日早朝、さいたま新都心へ到着した付き人は。マンガ喫茶で仮眠して時間をつぶした後、スタ☆レビ大宴会の際に利用したけやき広場にある「博多ふくいち」へ向かった。この店は明太子が食べ放題なのでお気に入りであった。

ただ注意点は、明太子が入口近くに置いてあるので、「おかわり」がしにくい。その為、最初に、いかに小さなお皿に山盛りに盛るか技術が必要であった。その手順を復習しながらけやき広場に向かっていくと、騒がしい。何やらイベントが開催されているらしい。ババアがいっぱい集まって歌を歌っていた。なんか宗教の集まりかなんかかなと看板を見ると「歌声ひろば」と書いてある。「夏か来れば思い出す~はるかな尾瀬、ののこみち~♪」みんな一生懸命に歌ってる。ま、ボケ防止にはえええな…と横でババア集団合唱を奇異の目で鑑賞していた。ほどなくして司会者が「では第三部はゲストをお迎えしています。」へ~こんなババアの集団のゲストといえばどうせ、ドサ周りの演歌歌手だろうとゲストとおぼしき人を探した。「今晩、隣のさいたまスーパーアリーナでコンサートをされる小田…和正さんです」「わ!」付き人は一瞬めまいがして血の気が引いた。付き人のそばを小田さんが通って行った。稲ピーはギターとアンプを持って、栗尾さんはキーボードを担いで…。
「ど~も~」小田さんの第一声以降、ババアの集団の雄たけびと共に、付き人は興奮状態で何がなんやら…。気がつけば必死に歌っていた。「だれ~かが~、いつも 君を 見ている~…」「あな~たを~つれ~てゆ~く~よ~」…
「今朝、ここを通ると、何やらイベントの準備をしていて、何かな?と尋ねるとさいたま市のイベントで毎月、市民が集まって合唱をするというんだ。お、こりゃ面白い!と急きょ、飛び入りで参加させてもらったんだ。この雰囲気、オフコースの頃の路上ライブを思い出すなあ。」…「めぐりくる季節にも なつかしい 匂いがして ふるえてたあなたの ぬくもりさえ よみがえる この手に~」小田さんの歌声と、ババア集団の声がさいたまの初夏の空に響き渡った。1340分、この夢の大合唱は終わった。付き人は今まで起こった事があまりにもショックで意識もうろうのままよろけながら「博多ふくいち」へと向かった。…結局、当初計画していた明太子山盛り作戦をすっかり忘れ…というか明太子を取る事さえ忘れていた。…さいたまアリーナ周辺には、コンサート客が集まりだした。けど先ほどまでこのけやき広場で信じられない事が繰り広げられていたなんて、誰も知る由もなかった。付き人は何事も無かったようにオンステージの受付へと急いでいった。 お・し・ま。い

もうすぐサッカーワールドカップの試合が始まるので、急きょ、妄想小説を終わらせました。(^_^;)
ガンバレ、日本!